スタジオフリーの物語

80年代ホップ、2017年ステップ、NOW。

私の軌跡ー3-3

崩壊とメタモルフォーゼ-1<フィクションとしてお読みください>

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写真はモルフォチョウ

 

ご存知のとおり、蝶は「蛹」から羽をもった美しい蝶になります。

 

私は、赤羽の祖母に、よく上野の国立科学博物館へ連れて行ってもらいました。

帰りは、決まって土産物のコーナーへ立ち寄り、

蝶や蛾の標本や、珍しい鉱物、化石など、わくわくするものがたくさんあり、

私は、この大きな蝶の標本を買ってもらいました。

 

モルフォチョウの標本は、和光に全ての荷物を置き(全部捨てて)、

猫と息子と今の場所で暮らすことになるまで、壁に飾ってありました。

 

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スタジオフリーは、これまでも度々の危機を乗り越え、

このときも「きっと、頑張れば、大丈夫。」と思っていました。

 

それは、朝、生意気にもベンツで秋葉原まで出勤する、

その自動車電話への、一本の電話から始まりました。

 

「税務署の方がお見えになりました。」(事務員)

 

私は、いつもの数年に一度ある税務調査だと思い、軽く受け止めていました。

 

事務所に着くと、何やら、重たい雰囲気。

ひとまず、応接で待つひとりの税務署職員の話を聞くことにしました。

 

「あの、、この小切手なんですけど、裏書は誰が書いたものですか?」

「これは、銀行で現金化するために、妹に持たせたので、妹が書きました。」

 

「わかりました。妹さん。と。」

 

「それで、、、小切手なんですけど、妹さんのお名前は?」

「○○○と申します。」

 

「わかりました。それで、小切手なんですけど、裏書は誰が書いたものなんてすか?」

「妹です。」

 

「わかりました。妹さんは何故小切手に裏書したんですか?」

「打ち合わせなどで、私がいけない日は、妹に持たせることがあります。」

 

「それで、、、小切手なんですけど、裏書は誰が書いたんですか?」

 

また、同じ順番で、同じ質問が、ゆっくりと繰り返される。

 

背筋が寒くなりました。

 

なんか、この職員の頭が変なのか。

私が変になってしまったのか。

 

この、全く同じ質疑応答の繰り返しを、2時間ほどしていると、

 

ドアが大きな音で、ばたんと開き、

「はい、氏家理為さんは、どの人かな?」

 

ひょろひょろの頭の変な?職員とは全く違うタイプ、

ガタイがいい、強面の、とんでもない大声で威嚇する職員が入ってきました。

 

「あなた?氏家さん。はい。引き出しあけて!」

「あの、これ、どういう意味ですか?」

「引き出しあけて。」

「……………。」

「あのね、み、な、さ、ん、に、了解得てるの。氏家さんの引き出し。」

「でも、私が開けることはできないから、あなたが開けて。」

「……………。」

 

「あけろっつてんだろ。」罵声!

「あのねーー。私、本社の○○。だから、あけろーーーー。」

「あけろーーー!」

 

なにか、頭の中がぐるぐるとまわり、身体が溶け始める予感がしました。

 

 

続く

 

注・本社 = 隠語 (国税局)