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スタジオフリーの物語

80年代を駈け抜け30年、ようやく過去の私と向き合う

私の軌跡ー6.3-1

#.3章 天国の門

お母さんの死

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写真は、多分、上野動物園

 

実は、母親について、どのように育ち、どんな学生だったか、

食べ物の好き嫌いとか、結婚した経緯や、その他もろもろ、

ほとんど聞いたことがないのです。

 

断片的に、または叔父からの話、パズルピースはばらばらで、

完成しないまま、この世を去りました。

 

怒涛の1997年の夏、

母親とともに、長男がいなくなり、気が狂いそうなほどの喪失感を味わい、

 

私は、母親に対して、「親子の縁を切り」

「敵意」をむき出しにしました。

 

すべて、母親の単独行動だと、<誤解>していたのです。

 

それから、4章のような日々。

 

少しづつ、自分を取り戻し、2005年に、今の主人と結婚し、

子供もひとり授かりました。

 

2008年10月。

上の妹から1本の電話が。

「お姉ちゃん!お母さん、死んだって。」

「えっっ………?」

 

すったもんだの、逃亡劇は、妹たち3人が計画したもので、

特に、経済的に余裕のあったN家が、アパートの名義人となっていて、

金銭的な援助もしていたと、聞きました。

 

三女の住む、上福岡、その近くのアパートでした。

 

四女は、生まれてから、ずっと母親にべったり、

母親も四女を別格に、猫かわいがり。

 

「母子共依存」の関係でした。

 

恋人と暮らすことに決めた父親は、長野に新居をかまえていました。

 

母親は、頼りにならない、へなちょこの私以外の、

3人の妹を頼るしかなかったのだと思います。

 

糖尿病と不安定な情緒。

 

母親は、年がら年中、検査、検査。検査して、ほんの少しでも、

心配なことを見つけたがっていました。

 

たった少しでも、小さな良性ポリープでも、誰かに心配し、慰めて、近くに来て、

 対話をしたかったのだと。

 

その、検査入院も、姉妹全員はそのつもりでした。

 

と、いいますか、

 

私は母親と、<没交渉>でしたので、全てN氏妻の上の妹から、聞いた話です。

 

「お母さん、ったく、病院のご飯がまずいって、ひとくちも食べないんだよ。」

「どうせ、いつもの我侭なんだろうけどねえ。」

 

それから、一ヶ月ほどして、先ほどの電話だったのです。

 

「信じられない。朝検温に行った看護師さんが、みつけたんだって。」

 

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実は、その数日前、

 

私は、母親が入院する病院から、電話をもらっていたのです。

内容は「退院についての相談」でした。

 

母親の今後については、長女(私)か、次女に連絡して欲しいと、

 

これまで、ずっと一緒に住んでいた四女が反旗を翻し、

男性のもとに向かい、母親の面倒を長女(私)へ丸投げしたのでした。

 

私は、子供をうんだばかり。

 

「この10年近く、没交渉でしたので、次女に連絡して欲しい。」と、

看護師さんに伝えました。

 

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そして、翌日。

 

母親自身から、電話があったのです。

 

「あ、りーこ、四女どこにいるかしらない?」

 

「知らない。」

 

「そう…………少しの沈黙。」

 

「福祉事務所の○○さんに、電話してちょうだい。」

 

「たばこ代もなくて、万事休す。」

 

いつもの、全くいつもの。私にお願い事をする母親。

 

私は、ここで承諾するのは、この10年を何だと思っているのかと、

少し苛立ち、お願い事を断りました。

 

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そして、

 

数日、

 

死んだよ、お母さん。

 

の電話。

 

なぜ。

 

なぜ。

 

おととい、電話で話した。

 

もしかすると、また、妹づての話を、

 

丸ごと信用した私のミス?

 

もう、真相はわかりません。

 

お母さんが死んでしまった。

 

文句のひとつも言いたかった。

 

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お母さん、仲直り、したかった。

 

 

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<兎>の図柄が好きで、

箸おきや、汁椀も<兎>。

 

おかあさんは、怒りんぼで、

<兎>はにあわないよというと、

 

 

「<兎>はね、

さみしいと死んじゃうんだよ。」

 

思い出した。

 

お母さん、寂しいから、

 

<兎>になって、

 

死んだんだろうな。

 

 

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アルバムにはなかった、初めて見る、お母さん。

赤ちゃんは、多分次女。

 

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社宅の道端で、泣きじゃくる私を、なだめ微笑むお母さん。